2018年02月25日

2018年問題その2−派遣労働の期間制限

 みなさん、こんにちは。

 年があけたと思ったらもう2月も終わりに近づいてきました。月日が経つのは、ホント早いですね。

 今回は、予定どおり、2018年問題その2として、派遣労働の期間制限について取り上げます。

 これは、平成27年に派遣法が改正されたことによるものです。
 普段、「派遣法」とか「労働者派遣法」と呼んでいる法律は、実は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」が正式名です。
 知ってました?
 
 ちなみに、私が大学時代に勉強して単位をとった「独禁法」も、「独占禁止法」ではなく「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」が正式名です。
 時々見かけますよね。長い名前の法律。

 では、本題に入ります。
 派遣法は、平成27年改正前、いわゆる26業務への労働者派遣には期間制限がありませんでした。
 しかし、改正により、施行日以降に締結された労働者派遣契約に基づく労働者派遣には、期間制限があるようになりました。
 つまり、すべての業務で、期間制限が適用されるようになったのです。
 
 施行日は平成27年9月30日ですので、今年の9月30日以降、これまで26業務で働いてきた派遣労働者に対する派遣切りが多発するのではないか。
 これが、派遣に関する2018年問題です。
 
以下、具体的にみていきます。


1 期間制限について
  期間制限は、@事業所単位の期間制限と、A個人単位の期間制限があります。

 @事業所の期間制限は、派遣先の同一の事業所に対し、派遣できる期間は、原則3年というものです。

 原則3年ですので、例外があります。それは、その事業所の過半数労働組合等(過半数労働組合または過半数代表者)から意見を聴けば3年の派遣可能期間を延長できるというものです。
 過半数労働組合等の意見を聴けばよく、同意をもらう必要はないんです。

 ちなみに、就業規則を作成・変更するときも、過半数労働組合等からの意見聴取が必要でしたね(労基法90条1項)。
 
 A個人単位の期間制限については例外がなく、同一の組織単位に対し派遣できる期間は3年までになります。
 組織単位とは、「課」や「グループ」のことで、「課」や「グループ」が異なれば、同じ事業所で働けるんですね。
 
 なお、事業所単位の期間制限と、個人単位の期間制限、いずれにも、クーリング期間というものがあって、3か月を超える、つまり、3か月と1日以上、派遣労働者を受け入れていない期間があれば、派遣先は、再度、同じ派遣労働者を受け入れることができるようになります。
 だだ、脱法目的には利用しないよう、厚労省は注意を促しています。


2 派遣労働者の保護について
 派遣終了となる労働者については、派遣元が雇用安定措置を講じなければならなくなりました。
 具体的には、T派遣先への直接雇用の依頼、U新たな派遣先の提供、V派遣元による無期雇用、Wその他です。
 こうやって派遣労働者を保護しようというわけです。

 また、派遣労働者の保護規定としては、労働契約申込みみなし制度もあります(派遣法40条の6)。
 この規定は、簡単にいえば、一定の場合、派遣先が派遣労働者に派遣元と同じ労働条件で労働契約を申し込んだとみなす制度です。
 労働者が承諾すれば、労働契約が成立し、派遣先に直接雇用されることになります。
 
 一定の場合とは、@派遣禁止業務に派遣、A無許可の派遣元からの派遣、B期間制限違反の派遣、C偽装請負の場合と、要は、悪いことした場合です。

 この規定は、派遣先が善意無過失であれば適用されないのですが、上の4つに該当しないか調べることは容易なので、善意無過失といえるケースはめったにないのではないか、と言われています。


3 期間制限対象外の派遣労働者について
 最後に、押さえておきたいのは、期間制限対象外となる派遣労働者についてです。
 
 派遣法は、⑴派遣元に無期雇用されている労働者の派遣、⑵60歳以上の労働者の派遣、⑶有期プロジェクト業務への派遣、⑷日数限定業務への派遣、⑸産前産後・育児・介護休業を取得した労働者への代替派遣を、期間制限対象外の派遣労働者としています。

 最近、法律相談していると、派遣元に無期雇用されている派遣労働者が増えている気がします。
 人手不足が叫ばれている今日ですので、今年9月以降、派遣元に無期雇用される派遣労働者が、さらに増えてくるのではないでしょうか。

 では、また。


posted by ヒラク総合法律事務所 at 15:08| Comment(0) | 労働法