2018年01月28日

2018年問題その1−有期労働契約の無期転換

 2018年(平成30年)になりましたね。今年もよろしくお願いします。

 さて、ご存じの方も多いと思いますが、労働の世界には、 「2018年問題」と呼ばれている問題があります。
 有期労働契約の無期転換派遣労働の期間制限です。

 そこで、今回は、有期労働契約の無期転換を取り上げます。

 まず、法律家らしく、条文からですが、有期労働契約の無期転換については、労働契約法18条が定めています。
 1項と2項があるのですが、結構長い条文なので、ここでは引用しません。各自、読んでみてください。

 法律の条文は、多くの場合、要件と効果のかたちで作られています。これこれの場合(要件)は、こうなる(効果)という感じですね。
18条1項は、まさに、要件と効果のかたちで作られています。
 
 まず、先に、結論にあたる効果についてみると、「使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、…同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。」が効果の部分です。
 
 つまり、使用者が承諾しなくても、承諾したことにするわけですから、要件が充たされれば、いわば強制的に、労使間に期間の定めのない労働契約が成立するわけですね。
 
 ただ、有期労働契約の契約期間が、期限の定めのないものにはなるものの、それ以外の労働条件は変更することまで必要はないんです。無期になったとたん、正社員になるわけではないということです。
 
 もっとも、「別段の定め」をすることはでき、最低でも、定年制は設けることになるでしょう。正社員さえ定年があるのに、無期転換した労働者には定年がないのは不自然ですからね。

 
 次に、要件ですが、要件について書かれた部分は、効果の部分よりまえ全部です。
 つまり、「同一の使用者との間で締結された…労働者が、当該使用者に対し、…期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、」ですね。
 そして、通算契約期間については18条2項が規定していますから、18条2項は要件についての規定ということになります。

 要件は、具体的に、
 @使用者が同一であること、A平成25年4月1日以降、2回以上有期労働契約をしていること、B通算契約期間が5年を超えること C有期労働契約満了前に期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたこと、の4つに分解できると思います。

@使用者が同一であること
 同じ法人・個人に雇われている、雇い主が、ずっと同じということですね。

A2回以上有期労働契約をしていること
 有期労働契約は、終了日がくれば、その契約は終了しますから、2回以上の有期労働契約といえるためには、少なくとも1回は契約更新をしている必要があります。
 そして、労働契約法18条は、平成25年4月1日に施行されたので、同日以降2回の有期労働契約が必要です。

B通算契約期間が5年を超えること
 まず、「5年を超える」とされているので、5年ピッタリはダメで、5年を過ぎることが必要です。
 
 次に、18条2項は通算契約期間について定めているので、みてみると
 まず、空白期間前の通算契約期間が1年以上ある場合、空白期間が6か月以上あると、空白期間前の契約期間は、通算契約期間に算入されません。6か月以上ですから、6か月を含みますね。
 次に、空白期間前の通算契約期間が1年未満の場合は、通算契約期間÷2以上の空白期間があると、空白期間前の契約期間は、通算契約期間に算入されません。
と定めています。

 ただ、この通算契約期間については、18条2項の文言からわかるように、厚生労働省令に細かい定めがあります。

 なお、空白期間のことを「クーリング期間」、通算契約期間に算入されなくなることを、「クーリングされる」と言うようです。

C有期労働契約満了前に期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたこと
 労働者は、無期転換の申込みはしなければなりません。自動的に無期転換するわけではなく、労働者に選択権があるんですね。


 以上のとおり、無期転換の要件効果について、ザッと書きました。
 ただ、この無期転換については、特例、つまり、例外的に無期転換しない場合も、労働契約法以外の法律で定められているのですが、長くなってしまうので、ここでは触れません。
 興味のあるかたは、厚生労働省のホームページをご覧下さい。


 期限の定めのない労働契約となると、労働契約法16条があるので、使用者としては、解雇が難しくなるでしょう。
 そこで、使用者が、無期転換社員をどう活用していくか、それが有期労働契約の無期転換の問題なのです。


 最後に、このブログでは、これまで、社労士試験の勉強方法をメインに書いてきましたが、今後も、今回のような労働法など、社労士試験の勉強方法以外のことも書いていきたいと考えていますので、ブログのタイトルを「ひらくの社労士合格塾」から「ひらくはダブルライセンス?」にし、「ひらくの社労士合格塾」は、カテゴリの1つにすることにしました。

 次回は、2018年問題その2として、派遣労働の期間制限について書きますね。
では、また。

posted by ヒラク総合法律事務所 at 17:17| Comment(0) | 労働法