2020年05月29日

民法改正3

みなさん、こんにちは。

緊急事態宣言は全国で解除されましたね。

岩手県は、感染者0のまま解除されました。
それも影響しているのかマスクは、まだ届いていません。

さて、今回は民法改正のうち、
併存的債務引受と免責的債務引受
を取り上げます。

併存的債務引受と免責的債務引受については、司法試験受験生のときに、勉強しましたが、
旧民法には、規定がありませんでした。

民法には契約自由の原則がありますので、どんな契約でも結べるのが原則ですし、学説、裁判例で認められていたのです。

そこで、早く民法で規定すればいいのにと思っていたのですが、今回、明文化されました。


まず、併存的債務引受についてです。

条文は470条1項で、
「併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。」
と規定されています。

私が弁護士実務でみたのは、債務整理のときで、自動車ローンで使われていました。

契約書をみせていただくと、依頼者の奥さんが引受人になっていました。
その方は、小規模個人再生手続をされたのですが、お陰で、自動車を引き揚げられなくてすんだようです。

ところで、併存的債務引受は、連帯保証とよく似ています。
引受人は保証人的な立場なんですね。

保証は、債権者と保証人との契約で成立しますので、
併存的債務引受も、債権者と引受人との契約で成立します。

よって、債務者の同意は必要ありません。

よく、軽い気持ちで保証人になると酷い目にあうと言われますが、
併存的債務引受も、連帯保証とよく似ている以上、その責任は重いですので、引受人になるかどうかは慎重に検討してください。

ちなみに、債権者は、お金を貸している人、債務者は、お金を借りている人と考えると分かりやすいです。


次に、免責的債務引受についてです。

条文は472条で、「免責的債務引受の引受人は債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる。」
と規定されています。

この「債務者は自己の債務を免れる。」が併存的債務引受との大きな違いです。

つまり、免責的債務引受は、債権譲渡の逆バージョンなのです。

債権譲渡は、債権者が交代しますが、免責的債務引受は、債務者が交代します。
今まで借金を背負っている人が、借金から解放されるんですね。

私が弁護士実務で見たのは、不動産の所有権移転のときに使われていました。

つまり、住宅ローンを背負っている人が、住宅の所有権を移転させるとともに、ローンつまり借金も移転させていました。

住宅ローンの場合、債権者は金融機関ですから、ローンの残額を払ってもらえるかは重要ですので、金融機関は、誰が引受人になるかに大変関心があります。

ですから、経済力がある人が引受人にならないと、金融機関としては、なかなか免責的債務引受を認めにくいと思います。

住宅ローンが引受人に移転すると、住宅の所有権が移転することが472条の4第1項本文に規定されています。
だだ条文上、「移すことができる」と規定されているので、移転しなくてもいいんですね。
実務では、当然のように移転させるでしょうけど。


以上、併存的債務引受と免責的債務引受について、簡単にみてきましたが、実務で使われている契約が、民法上明文化された意義は大きいと思います。

どんな契約かはっきりしましたからね。

なお、新民法でも規定されませんでしたが、債務引受は、債権者、債務者、引受人の3人で契約することもできます。

特に、免責的債務引受では、債務者が交代するという重大な効果を伴いますから、3人で契約したほうがいいのではないでしょうか。


今後も、引き続き民法改正について書きたいと思います。

では、また。
posted by ヒラク総合法律事務所 at 10:11| Comment(0) | 弁護士業